No.19 直近の食卓動向 ~オケージョンごとの特徴~
2023年は新型コロナウイルス感染症の5類以降や値上げラッシュなど、生活者を取り巻く環境が大きく変化しています。そこで、直近(4~6月)おける食卓動向の特徴を朝・昼・夕ごとにまとめました。
朝食は「簡便・節約」がキーワード
2023年4-6月期の朝食メニューを加工度別に見ると、主食ではシリアル類が2019年、2022年と比べ増加しており、手軽さ・栄養バランスなどのニーズを読み取ることができます。その他に、ご飯・おにぎり・かけご飯などが前年と比べ増加していますが、いずれも残り物の活用が拡大しています。背景には時短ニーズだけではなく、食材値上げの影響から食材を無駄なく活用し、家計の節約を意識しているのかもしれません。一方で、手作りのご飯・おにぎりは減少しています。パン類において、食パン・トーストは値上げの影響もあり引き続き減少傾向です。ただし、菓子パンや調理パンなどは直近増加しており、簡便需要の影響がありそうです。おかずの皿数を見ても、今年の4-6月期は1.11となり、昨年度の1.18から減少していることがわかっています。残り物活用と同時に、おかずのいらない一品完結型主食の需要がありそうです<図表①>。 続いて、汁物おかずの傾向を見ても、「残り物味噌汁」や「残り物野菜サラダ・単品生野菜」が増加している一方で、「手作り味噌汁」や「手作り野菜サラダ」が減少しています。その他に、単品生野菜の出現の増加も興味深い点です。簡便や節約を求めつつも野菜は食べたいという心理が働いているのかもしれません。<図表②>