No.15 購買や家庭内在庫から見る生活防衛のカタチ
コロナ禍から食品・生活インフラ等の物価高騰による生活防衛と、外部環境が目まぐるしく変化し、生活者においては依然として悩みの種が続いている状況ですが、現状の生活者動向はどのように変化しているのでしょうか。今回の食MAPニュースでは購買の仕方や家庭内在庫を中心に、生活者がどのような工夫をしながら生活防衛をしているかを捉えつつ、今後のヒントとなる事象をご紹介いたします。
■家庭内食の減少率よりも加速している「買い控え」
まずは家庭内喫食ニーズがどう変化しているのかを見たうえで、買い物の仕方を見ていきたいと思います。【図表1】は家族世帯の家庭内喫食率と内食回数の変化を示したものです。22年の内食回数は、コロナ前の19年比で+9%、20年のピーク時と比べ▲5%となっております。学校の休校やテレワーク等の影響が大きかった昼食と間食夜食が緩やかに減少してきていることが内食回数の減少に繋がっています。
【図表2】は世帯1日あたりの購買率・平均購買点数と購買あたり平均購買点数を示したものです(生鮮品と惣菜のJANコード未付与商品は対象外)。購買率は20年の内食増加をピークに減少しており、家で食べる機会が減少した分、買い物をする機会を控えたという傾向が出ております。ここで注目してほしいのは世帯1日あたり平均購買点数で、22年はコロナ前の19年比で+2%、20年のピーク時と比べ▲11%となっている点です。内食回数の減少幅よりも購買点数が大きく減少しており、一部惣菜などに置き換わっている可能性も考えられるものの、加工食品においては必要なものを必要な分だけ購入するというマインドに代わってきていると考えられます。また家庭内の余剰在庫を消費してから購入するというサイクルに変わってきている可能性もあります。