目からウロコが落ちる話

目からウロコが落ちる話

弊社前会長、齋藤隆による食に纏わることを綴ったコラムです。

第41回 おふくろの味を見直そう

古今東西を問わず、食卓を預かる者にとって、家族の健康や食事の栄養バランスは一番に気を使うところでしょう。そのせいか最近の野菜人気は大変な勢いです。デパートの地下食品売場で人気の惣菜の多くは、色目の良いサラダ感覚で販売されています。現代人を魅了する料理に野菜が欠かせなくなっています。そこで、野菜がよく使われる料理を食MAPから探ってみました。2007年の1年間、代表的な13種類の野菜が1番良く使われた料理ベスト3は以下の通りでした。

長ネギ味噌汁(1位)、納豆(2位)、冷奴(3位)
白菜和風鍋、味噌汁、キムチ鍋
ほうれん草野菜のおひたし、味噌汁、野菜の胡麻和え
もやし野菜炒め、ソース焼きそば、味噌汁
ジャガイモ 味噌汁、ポテトサラダ、ポークカレーライス
大根味噌汁、大根おろし、大根サラダ
たまねぎ味噌汁、ミックス野菜サラダ、ポークカレーライス
にんじん味噌汁、野菜炒め、ミックス野菜サラダ
なす味噌汁、ぬか漬け、焼きナス
生しいたけ和風鍋、味噌汁、野菜炒め
トマトミックス野菜サラダ、冷やしトマト、トマトサラダ
レタスミックス野菜サラダ、サンドイッチ、ベーコンエッグ
キャベツキャベツ単品、ミックス野菜サラダ、ソースやきそば

ジャガイモや玉葱、人参を含め多くの野菜が、味噌汁に1番よく使われていることに驚かせられます。ほうれん草や白菜、もやしを使う料理ベスト3に味噌汁が入っているのは、筆者にしてみれば驚きです。ただしトマトやレタス、キャベツが良く使われる料理ベスト3には味噌汁は入っていません。
一般に野菜といえばすぐに頭に浮かぶ料理がサラダや野菜の煮物です。特に、レストランや割烹のプロたちはそんな野菜料理を自慢料理として消費者にアッピールしています。
ところが庶民の食卓では野菜をとる一番の料理は味噌汁なのです。味噌汁には家族に野菜をたくさん食べてもらうための「家庭の知恵」が沢山つまっているようです。そんな知恵や工夫が、昔から変わらず今に生きている代表料理が味噌汁なのです。味噌汁が「お袋の味」と言われる理由がこんなところにあったわけです。納得していただけましたか?

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