目からウロコが落ちる話

目からウロコが落ちる話

弊社前会長、齋藤隆による食に纏わることを綴ったコラムです。

第8回 100%ジュースは本当に100%?

top_column_8.jpg私がつき合っている食品メーカーさんの中には、世間から少し変わってみられる会社がいくつかあります。その1社をご紹介しましょう。
日本牛乳野菜株式会社 という名前の会社が熊本にあります。この会社の社長である谷口健二氏は、大手食品メーカーを退職後、故郷で食品開発や食をテーマに地域活性化の事業を展開しています。その谷口氏はとんでもない食品技術を開発したのです。
谷口氏との出会いは私がある飲料メーカーの商品開発のお手伝いをしていた時に、ひとりのコンサルタントから「変わった人物がいる。是非、貴方に紹介したい」が切掛けでした。
彼に電話を入れるとすぐさま上京され、お会いすることになりました。彼も自分の技術を使った商品の販路を捜していました。彼が開発している商品の考えと(コンセプトといいます)、商品特性をお聞きしました。私は目からうろこが落ちる思いで彼の話に聞き入りました。

「皆さん、市販されている100%ジュースは本当の意味での100%ではありません」
確かに果汁は100%かもしれませんが、皮や種は入っていません。日本牛乳野菜が開発している100%ジュースは、皮ごと種ごと全てをジュースにしてしまうのです。
「え!そんなことできるの!?」と思われるでしょう。
これができるのです。その技術を開発したのです。
私は彼の話しを聞いているうちに次のフレーズを思いつきました。

「大地の収穫の恵みを丸ごと提供する究極のナチュラル飲料」

谷口氏が開発した技術の特徴を整理すると次の通りです。

  1. 究極のナチュラル技術の秘密は、搾るのではなくカットにある 20~30ミクロンの単位でカットする技術であるため、皮、種子、繊維などすべてが果汁化され、一切のカスがでない(環境にやさしい)。 食物繊維など栄養分が急速に倍加する(体にやさしい)。
  2. カットのミクロンを調整することで、色、風味、テクスチャーが自在に調整できる。とろりとしたもの、すっきりしたもの、コクとキレのバランスなど自在である。
  3. 窒素ガスをナノ単位で混入することで、酸化問題、退色の問題を解消できる。とりわけ、不可能といわれていたクロロフィルの緑色の保持が可能になる。
  4. 野菜、果物の成分だけで行い、一切の添加が不要である。
  5. 牛乳、豆乳、果実などはハイブリッド化することで、さまざまな味、テクスチャー、色合いをだすことができ、多彩な飲料や食品ができる。
  6. 契約栽培、トレーサビリティシステムがきわめてしっかりしているので安心・安全である。

図は温州みかんのサンプルです。皮から、種、ヘタまで入っています。昨年、ゴマジュースを開発したので試飲しました。最初はどんなに油っぽい飲料なのかと思いましたが、予想はずれ。さらりとして美味しい。色は第3回の「百鼠の心」で紹介した利休ねずみの色(青緑がかった灰色)です。
最近、お米消費拡大に役立てようと玄米100%ジュースを開発しました。このジュース、籾殻までジュースになっているのですよ!これまた試飲してみると...。
「美味しい!」
みなさんも是非飲んでみたいと思うでしょう。
谷口氏との懇談会&試飲会を企画したいと思っています。そこで試してください。
目からうろこが落ちること間違いなし!
ほっぺたが落ちること間違いなし!!

追伸
谷口氏の工場(熊本)を訪ねたことがあります。通常の工場には排水路などが床にあるもですが、そんなものはありません。工場内は無菌室のごとくです。従業員の服装もまるで宇宙服姿です。中を案内されているうちに、どこかで見たことがあるような風景だと感じました。そう007シリーズの第1作「ドクター・ノオ」の秘密基地の風景です。そんな処から究極のナチュラル飲料が生まれていると思うと、不思議な感じがしました。

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