食彩事記

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第43回 秋刀魚

9月に入り、'秋の日はつるべ落とし'のことわざのように、日に日に日没がはやくなり、服装を半袖にしようか長袖にしようかと迷う日が多くなってきました。秋の味覚は、たくさんありますが、今月は秋の季語にもなっている魚「サンマ(秋刀魚)」について、話をすすめます。

「サンマ」の歴史

「サンマ」が一般的に食べられるようになったのは、江戸時代後期頃のようです。紀州地方の漁法が房総半島のほうへ伝わり、大量に「サンマ」がとれるようになり、江戸へ送るのが容易になったためです。それ以前は、鯛やひらめなどの白身の魚を好んで食べていたことや、保冷技術がなかったことから、鯖や「サンマ」などの青魚は、おもに油の原料として使われていました。
「サンマ(秋刀魚)」の漢字の由来は、秋にとれる魚であり、刀のような色と形をしていることからきているようです。

「サンマ」の旬と産地

「サンマ」は、日本の沖合いからアメリカ沖まで、北太平洋の広範囲に分布しています。日本近海の「サンマ」は、夏にオホーツク海で回遊し、親潮にのって産卵、南下していきます。8月上旬頃から、千島列島の沖合いから根室沖、10月頃には三陸沖を通過し、11月頃には銚子沖に達します。海水温によって、南下の時期が前後するようですが、この回遊の間に動物性のプランクトンを食べ続けるので、10月下旬には脂肪の含有量が20%ほどになり、一番脂の乗った状態になります。銚子沖の「サンマ」が最も脂の乗った旬ですが、実際の水揚げ高は、北海道が全国の半分以上を占めています。また、日本海側でも同様な南下をして、新潟県沖でもとれるようです。

編集後記

image_43_2.jpgこれから11月にかけて、安価になってくる「サンマ」。今回は、根室沖の「サンマ」を購入しました。少し小ぶりですが、「サンマ」の塩焼きを食べると秋を感じます。本当は、一尾丸ごと塩焼きにしたいところですが、ガスレンジでは一尾ずつしか焼けないので、頭を落として焼いています。我が家では、大根卸しにレモン汁かポン酢で頂きます。値段が安くなってきたときは、多めに購入し煮魚にします。また、蒲焼きにしてもおいしいですね。今では、鮮度のよい「サンマ」が手に入るので、お刺身やお寿司、マリネにしてもよいですね。みなさんのご家庭ではどのようにして食べることが多いのでしょうか?

今月のコラム執筆者:卒業モニタ 沖さん(練馬区在住)

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