食彩事記

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第41回 枝豆

image_41_1.jpg湿度の高いこの時期、暑さを癒すものは?との質問に、皆さんは何を連想されるのでしょうか?思わず、「ビール」と答えた方、ビールのおつまみといえば、「枝豆」を一番に思い出すのではないでしょうか?今月は、この「枝豆」について話をすすめます。

歴史

「枝豆」は、大豆の未成熟なものを収穫しています。大豆の原産地は、約4000年前に中国の野生種が栽培されたのが始まりといわれています。日本には、朝鮮半島を経由して約2000年前に伝わったようです。古事記にも五穀の一つとして書かれているように、穀物として重要な作物のひとつでした。「枝豆」として食べられるようになったのは、17世紀末の江戸時代のことです。夏になると、町中で枝豆売りの姿があったそうです。今のように枝からさやをはずした状態のものではなく、枝にさやがついた状態でゆでられていたので、「枝つき豆」「枝なり豆」と呼ばれていました。これが「枝豆」の名前の語源のようです。また、この「枝つき豆」は、食べ歩きができるようにこの状態で売られていたようです。

種類と旬

同じように見える「枝豆」ですが、さやの表面にある産毛(うぶげ)の色で、白毛種と赤毛種に分けられます。よく食べられるのは、白毛種です。最近では、大粒で甘味の多い品種の山形県のだだちゃ豆や兵庫県笹山の黒枝豆が有名です。
「枝豆」は、7~8月の盛夏が旬です。3月頃から温室栽培のものが出回り始めます。また、最近は冷凍食品も多くあります。

「枝豆」の栄養

ビールのおつまみといえば「枝豆」といわれますが、これには理由があります。大豆に含まれるメチオニンが肝臓や腎臓をアルコールからまもり、ビタミン B1、Cが、肝臓に負担がかからない作用をしています。ビールに「枝豆」は理にかなっているといえますね。ただ、「枝豆」は消化吸収が良くないので、よくかんで食べることが重要です。それから、「枝豆」がおいしいからといって、くれぐれも飲みすぎにはご注意ください。

編集後記

image_41_2.jpg今回の枝豆は、福島県産のものです。私の住んでいる練馬区では、まだ住宅のあちらこちらに畑が点在しています。その畑の片隅に無人販売所をよく見かけます。7~8月の「枝豆」の収穫時期には、枝つきのまま売られています。
「枝豆」は、とうもろこしと同様に収穫して半日もたつと、甘味が半減してしまいます。ゆでる直前に、枝からさやをとったほうが甘味の減少が少ないようです。実家では、旬の時期に収穫したらすぐに硬めにゆでて、冷凍保存しておきます。そのため、いつも甘味の強い「枝豆」を食べることができます。購入する時は、枝つきのままがおすすめです。

今月のコラム執筆者:卒業モニタ 沖さん(練馬区在住)


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