食彩事記

食彩事記

第40回 日本茶

image_40_1.jpg今日は、カサを持っていこうかどうしようかと、外出する時に迷う日の多くなる6月になりました。今月は、先月に引き続き「日本茶」について話をすすめていきます。

茶の歴史

中国の茶の言葉の起源をたどると中国の山岳部が原産地といわれ、ここから世界に広まったとされているようです。日本には、記録をたどっていくと平安初期の頃に中国から茶の作り方と飲み方が伝わったようです。この頃の茶は、貴重なものだったために、ごく一部の上流階級にのみ飲まれていたようです。鎌倉時代になると、寺院を中心に広まり、お茶の生産が進むとともにお茶を飲む風習も広まり、中国に渡った僧侶たちから伝えられたものを含めて、次第に日本の茶道へと発展していくことになります。江戸時代になると、お茶の生産量が大幅に増加し、また、流通も発達していくに従い、全国に広まっていきます。
第二次大戦中は茶の生産量が低下しましたが、戦後は、外貨獲得のため紅茶の生産に力を入れていましたが、貿易の自由化に伴い次第に撤退することになりました。その後、緑茶生産に方向転換し現在に至っています。
また、日中国交の回復に伴いウーロン茶の輸入が増大し、ウーロン茶缶の発売、その後のペットボトルの登場で、熱いお茶ではなく冷たいお茶が屋外や運動中に気軽に飲めるようになったことと、健康志向が強まっていくに従い、最近では多種類のペットボトルに入ったお茶をみかけるようになりました。

「日本茶」の種類

「日本茶」は緑茶のことをいい、蒸して酸化・発酵を止めて揉んで乾燥させる製法が中心です。蒸す代わりに釜で炒る製法は釜炒り茶といわれ、九州の嬉野茶が有名です。この嬉野茶は、東インド会社によって日本で初めてヨーロッパへ輸出されたお茶です。17世紀始めのことです。
「日本茶」には、玉露・煎茶・番茶・ほうじ茶・玄米茶などがあります。また、国内の各産地の名前をつけてブランドとしているお茶も多くあります。例えば、埼玉県の狭山茶、京都府の宇治茶、静岡県のやぶきた茶などです。みなさんは、何種類くらいご存知でしょうか?

お茶の保存方法

お茶の鮮度を保つには、空気・湿気・光・熱に触れさせないことが条件です。開封したら2週間以内に使うのが理想です。保存は、密封容器にいれ暗く涼しい場所におきます。冷蔵庫でもよいのですが、ほかの食品の臭いがつかないように充分に密閉することと、冷蔵庫から取り出したら常温になってから開け、中に水滴が入らないように注意します。

編集後記

image_40_2.jpg3年前までは、暑い時期に飲むお茶は、おもに麦茶でしたが、最近は、冷たい緑茶を飲みます。麦茶と同様に手軽に作れるパック入りの緑茶をお店で見かけるようになったからです。また、外出の際は、ペットボトルの緑茶を必ずバックに入れて出かけます。皆さんは、蒸し暑いこの時期からは、どのような種類のお茶を飲まれるのでしょうか?


今月のコラム執筆者:卒業モニタ 沖さん(練馬区在住)


graph_40.gif

食に関するコラム 食彩事記の一覧に戻る

ページトップへ戻る