食彩事記

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第35回 温州みかん

image_200812_1.jpg今年も残り1か月。日一日と日の出が遅くなり、朝の冷え込みにともない、布団から離れにくい季節になりました。最近は、ハウスみかんが出回るようになり、年中見かけるようになりましたが、今月は、今が旬の「温州みかん」を取り上げます。

「温州みかん」の歴史

「温州みかん」は、温州(うんしゅう)と名がついているので、中国の浙江省温州地区から渡ってきたものと思われがちですが、日本原産のみかんです。この中国の浙江省温州地区が、柑橘類の名産地だったことからこの名がつけられたようです。「温州みかん」は、鹿児島県の長島で見つかった原木から、およそ500年の歴史があるとされています。
江戸時代には、種のない果実は家系が絶えるとして、武家では縁起の悪いものとなっていたようです。江戸時代後期より味と種無しということから次第に栽培されるようになり、昭和に入り消費量が増えていきました。

「温州みかん」の品種と産地

収穫時期により大きく4つに分かれています。9月から10月にかけての「極早生温州」、10月から12月にかけての「早生温州」、11月から12月にかけての「中生温州」、1月以降の「普通温州」です。このほかに、温室栽培され5月から9月に出回る「ハウスみかん」があります。栽培に適しているのは、一年の平均気温が15度、冬の気温が-5度以上の地域で、千葉県・静岡県・和歌山県・愛媛県や兵庫県南部などの温暖な地域が主な産地になっています。また、産地の名前がついたブランドみかんがあります。有名なものは、静岡みかん、有田みかん、紀南みかん、愛媛みかん、大長みかん、熊本みかん、長崎みかんなどです。

編集後記

image_200812_2.jpgこの時期になると毎年、広島の実家から「温州みかん」が送られてきます。大長みかんという広島県特産の「温州みかん」です。広島県呉市の大崎下島・大崎上島で主に栽培されています。雨量が少なく海風があたるために、酸味が少なく甘味の強いみかんになるようです。実際に食べると、他とは違い、味が濃いという印象を受けます。
「温州みかん」を店頭で見かけ始めると、コタツの上のかごに盛ってある「みかん」、その「みかん」を「今日は何個食べた?」と兄弟で競い合ったことを思い出します。また、学校給食で始めて「冷凍みかん」が出たときの驚きを思い出します。みなさんは、「温州みかん」を食べるときに何を思い出すのでしょうか?

今月のコラム執筆者:卒業モニタ 沖さん(練馬区在住)


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