食彩事記

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第33回 さつまいも

image_200810_1.jpg日の入りが少しずつ早くなり、秋の夜長を実感する季節になりました。みなさんは、秋というと何を思い浮かべるのでしょうか。スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋...。いろいろな作物がとれる収穫の秋です。今月は、「サツマイモ」を取り上げます。

「サツマイモ」の歴史

原産地は、「サツマイモ」の根が紀元前8000年から1万年前の遺跡から出土されたことから、中米から南米北部とされています。コロンブスのアメリカ大陸発見の際にヨーロッパに伝わり、東南アジア、中国、そして、沖縄、九州へと広まっていったようです。九州へは、1700年代前半に広まり、1732年の享保の大飢饉のときに救荒作物(凶作に備えるために栽培する作物、「サツマイモ」のほかにジャガイモやそばなどがある)として食べられたことから、蘭学者の青木昆陽が、「サツマイモ」の特徴や作り方を記述した「蕃藷考(ばんしょこう)」を町奉行の大岡越前守忠相を介して、八代将軍・徳川吉宗に献上し、これがきっかけとなって、関東に広まっていきました。現在、青木昆陽の墓碑には、「甘藷先生墓」と刻まれ、東京都の史跡(目黒不動尊)となっています。

「サツマイモ」の品種

でんぷんの質や色により多くの品種があります。代表的な品種としては、紅赤(金時とも呼ばれている川越の特産の品種で、きんとんやてんぷらに最適)、紅あずま(関東で人気の品種)、高系14号(西日本で人気の品種)、紅はやと(肉質がオレンジ色で、他の品種よりビタミンA・Cが多い)、小金千貫(九州で多く栽培され、でんぷんや焼酎に使用)、あやむらさき(最近話題の紫芋の品種で、肉質が紫色でポリフェノールを含む)などがあります。

編集後記

image_200810_2.jpg今回の「サツマイモ」は、いただき物で広島県産です。アルミホイルに包んで蒸し焼きにしました。ほどよい甘味でした。 10月13日は「サツマイモ」の日となっています。これは、川越いも友の会が制定したもので、10月は「サツマイモ」の旬であり、「さつまいも」が、「栗(九里)より(四里)うまい十三里」といわれたことと、東京から川越まで約十三里の距離にあることから、決められたようです。
最近では、秋の行事の一つとして、テレビで「サツマイモ」の芋ほりの映像をみる機会があります。みなさんも、幼稚園や学校の行事として「サツマイモ」の芋ほりを1度は体験されているのではないでしょうか。また、デパートやスーパーなどで、「サツマイモ」を使った料理やお菓子の特集をしているのも、見かけるようになりました。みなさんのご家庭では、どのような料理に使うことが多いのでしょうか?

今月のコラム執筆者:卒業モニタ 沖さん(練馬区在住)


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