食彩事記

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第30回 スイカ

image_200807_1.jpg梅雨が明けて、子どもたちにとっては待ち遠しい夏休みが始まる7月になりました。7月の行事といえば、七夕や土用の丑の日がありますが、今回は「海の日」をテーマに果物の「スイカ」を取り上げます。

海の日

1996年に制定された新しい祝日で、「海の恩恵を感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」と国民の祝日に関する法律に定められています。以前は、 7月20日が「海の記念日」となっていました。これは、1876年に明治天皇が東北を巡られた際に、それまでの軍艦ではなく灯台巡視の汽船で航海し、青森から横浜へ入港した日を記念日としたものです。現在では皆さんもご存知のとおり、当初の7月20日が、ハッピーマンデー制度により、2003年から7月第 3月曜日になりました。「海の日」と聞くと、子どもの頃に砂浜で遊んだ「スイカ割り」を思い出しました。皆さんは何を思い浮かべるのでしょうか?

スイカ割り

子どもの頃に遊んだ「スイカ割り」は、用意したスイカを目隠しした人が周囲の声を頼りに割るものでした。この「スイカ割り」に公式のルールがあることを知っている方は少ないと思います。1991年にスイカの消費拡大のため、農業協同組合がルールを作りました。

  • 競技場...砂浜がよいが、楽しめるところならどこでもよい。
  • スイカと競技者間の距離...9m15cm
  • 用具...棒は、直径5cm以内、長さ1m20cm以内。スイカは、国産のスイカ。
  • 競技の開始...目隠しの確認のため、1万円札を競技者の前に落とし、拾った人は失格。スタート時に、7回2/3回転する。
  • 競技時間...3分。
  • 審判員...その年のスイカを10個以上食べた人。
  • 判定...割ったスイカの断面の美しさで判定する。2つに割れて大きさが等しいものを満点とし、減点法によって採点する。

「スイカ」

原産地は南アフリカのカラハリ砂漠とする説が多いようです。4000年前にエジプトで栽培され、日本には16世紀にポルトガルから渡来した説と17世紀に中国から渡来した説の2つがあるようです。明治に入り欧米から多数の品種が入ってきました。「スイカ」は漢字で「西瓜」。中国で、西域から伝わったうりの意味でつけられたようです。
「スイカ」の品種は、赤色大玉のもののほかに、冷蔵庫で保存しにくい・食べきれないという理由で、小玉の品種が出回るようになりました。その他に、富山特産の黒部スイカのような長方品種、和歌山特産の源五兵衛のような漬物用品種、種なしの品種、黄肉品種などがあります。
以前は、おいしい「スイカ」は、外見や叩いたときの音で見分けられていましたが、今では出荷の際の機械での判別が普及し、店頭で糖度(数値が高いほど甘味が増す)の表示のあるものや、1/2、1/4、1/6に切って売られるようになり果肉の色で見分けることもできるようになりました。

編集後記

image_200807_2.jpg地元のスーパーで、小玉の品種「ひとりじめ」を購入しました。小玉スイカは甘味がありますが、大玉スイカと比べると果肉にシャリ感がなく、皮が薄いので割れやすいという欠点があります。しかし、購入のしやすさと冷蔵庫での保存のしやすさでよく購入します。皆さんのご家庭ではいかがでしょうか?


今月のコラム執筆者:卒業モニタ 沖さん(練馬区在住)


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