食彩事記

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第29回 アスパラガス

image_200806_1.jpg天気予報の傘マークが気になる季節、6月になりました。また、衣替えの時期ですね。蒸し暑い季節ですが、6月の野菜というと皆さんは何を思い浮かべるのでしょうか?今回は「アスパラガス」を取り上げます。

「アスパラガス」の歴史

「アスパラガス」の歴史は紀元前2000年に始まり、南ヨーロッパで栽培されていました。長い間、教会や貴族の間だけで食べられていましたが、現在、ヨーロッパの人々は4月から6月の旬の時期を心待ちにしているようです。ドイツにはアスパラガス街道があり、特に「ホワイトアスパラガス」が収穫されます。
日本では、江戸時代にオランダ船から観賞用として入ってきたようです。実際に食用として栽培されるようになったのは大正時代からで、本格的には昭和40 年代、主に欧米への輸出用缶詰に使う「ホワイトアスパラガス」が北海道で栽培され、同じく「グリーンアスパラガス」も盛んに栽培されるようになりました。今では、全国で「グリーンアスパラガス」が栽培されています。
店頭でも1年中見られるようになりましたが、露地物の旬は4月から6月にかけて出回る長野産や北海道産になります。この時期のものが太陽の光をいっぱいに浴びて栄養も豊富です。枝豆やとうもろこしと同様に、採れたてほど甘味があります。また、「ホワイトアスパラガス」は店頭に並ぶ時期が短いので、食べたことのある人は少ないのではないかと思います。北海道に住んでいた頃は年に1度は食べていたと思いますが、こちらに来てからは食べる機会がありません。

「アスパラガス」の種類

ユリ科多年草の雌雄異株で、雄株のほうが太くておいしく収穫量も多いようですが、花が咲くまで外見では見分けられないそうです。皆さんは花の咲いたものを見たことがありますか? 翌年の収穫のために畑で見られる光景で、始めて見ると「これがアスパラガス?」と驚くことと思います。
種類は「グリーンアスパラガス」と「ホワイトアスパラガス」がありますが、品種は同じで育て方の違いによるものです。「ホワイトアスパラガス」は土を被せて遮光栽培したもので、「グリーンアスパラガス」は普通に栽培したものです。最近は紫色の品種も出ているようです。また、細く短い種類のものも冬の間に店頭で見かけますね。種を蒔いてから収穫できるようになるまで2~3年かかりますが、多年草なので10年ほど収穫できるようです。

編集後記

image_200806_2.jpg今回は福島産の「グリーンアスパラガス」を購入し、調理前の写真をとりました。保存するときは、牛乳パックの底に濡らしたキッチンペーパーを敷いて上を被い、立てて冷蔵庫に保存すると鮮度が保てます。アスパラギン酸を多く含み疲労回復に有効です。茹でる・炒める・焼くなどの調理法がありますが、生の「アスパラガス」を斜め薄切りにしてマヨネーズやドレッシングであえてもおいしいです。是非お試しください。


今月のコラム執筆者:卒業モニタ 沖さん(練馬区在住)


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