食彩事記

食彩事記

第14回 クッキー

image_200703_1.jpg3 月のイベントの一つにホワイトデーがあります。日本ではバレンタインデーのお返しにキャンディーやマシュマロを贈る習慣でしたが、近年ではお花やハンカチ、ホワイトチョコやクッキーなど多様です。バレンタインデーに続き、贈る方も贈られる方もドキドキする楽しみなイベントです!
今月は「ホワイトデー」と「クッキー」について調べてみました。

ホワイトデーの由来

3世紀の頃、ローマで恋愛結婚禁止令に触れた若い男女を救うために、バレンタイン司教は2月14日に殉死しました。これがバレンタインデーの由来でしたが、一ヵ月後の3月14日にその男女はあらためて永遠の愛を誓い合い、その日を記念したのがホワイトデーと呼ばれるようになりました。ヨーロッパをはじめ世界中の人々に語り継がれてきましたが、日本のホワイトデーの始まりは比較的新しいものです。

全国飴菓子工業協同組合の1978年名古屋総会において、全飴協ホワイトデー委員会を組織する決議採択が行われ、「ホワイトデー」と定められました。
キャンディーの販売促進が目的であったため、「キャンデーの日」にするという意見もありましたが、将来的見地から見送りました。関東部会で「ホワイトは純潔のシンボル、ティーンのさわやかな愛にぴったり」と「ホワイトデー」に決定され1980年からはじまりました。
ホワイトデーの由来には、古事記や日本書紀から日本の飴製造の起源を拾ったとする説もありますが、後から付け足されたものとされています。
ホワイトデーを仕掛けたのは博多の老舗のお菓子屋さん、石村萬盛堂です。昭和52年に何気なく見た女性雑誌に「バレンタインデーにお返しが無いのはおかしい」という投稿があり、そばにマシュマロの絵が添えてありました。マシュマロならうちの商品ではないか!ということで、お返しはちょうど一ヵ月後が良いだろうと、その年の3月14日に福岡の岩田屋デパートでマシュマロデーのキャンペーンを行いました。
これにチョコレート業界がホワイトチョコレートで乗っかって全国的に普及したようです。

クッキーの語源

クッキーはヨーロッパからアメリカ経由の西回りで日本に伝わって、ケーキや焼き菓子を意味するオランダ語「koek(クーク)」に由来しています。
ケーキを焼くとき、オーブンの火加減を見るため、種をほんの少しだけ入れたのが始まりだ、という説があります。また、よく似たお菓子としてビスケットがありますが、「2度焼く」という意味のラテン語「Bis Coctus(ビス・コクトゥス)」が語源で、イギリス軍隊や水夫たちの保存食として生まれたものだといわれています。
本質的にはクッキーとビスケットに大きな違いはなく、同じ材料で焼き上げたとしても、習慣的にアメリカではクッキー、イギリスではビスケットという名で呼ぱれています。
日本では高級なものをクッキー、保存食をビスケットと思われていたため、全国ビスケット協会が糖分や脂肪分の合計が40%以上含まれていて、手作り風の外観をもつものをクッキーと定めました。しかし、この規約は自主ルールなので、全国ビスケット協会に加盟してなければ、これに従う必要はありません。よってビスケットとクッキーに厳密な違いはないようです。

編集後記

image_200703_3.gif新宿の小田急ハルクにあるクッキー専門店で購入しました。このお店は全国に店舗を持ち、創設者のクッキーづくりの名人だった伯母さんのレシピが商品の元になっているそうです。
お店の周りにはふんわりと甘い良い香りが漂い、ショウウインドウの前に立つと、どれもとても美味しそうで選ぶのに時間がかかってしまいました。
さんざん迷いましたが、人気クッキーを詰め合わせしたホワイトデー用のものに決めました。かわいらしいラッピングがされており、こんなクッキーをもらったら嬉しくてたまりませんね。

graph_200703.gif

食に関するコラム 食彩事記の一覧に戻る

ページトップへ戻る