食彩事記

食彩事記

第4回 かしわ餅

image_200605_1.jpg5月の行事といえば、やはり「こどもの日」ですね。こどもの日と言えば、ちまき、かしわ餅、鯉のぼり、5月人形・・・などがあげられますが、今月は「かしわ餅」について調べてみました。

「こどもの日」の由来

5月5日は戦後に「こどもの日」と定められ国の未来を担う子どもたちの成長を願う祝日とされてきましたが、もとは端午の節句という五節句のうちのひとつから発しています。「菖蒲(しょうぶ)の節供」とも「重五(ちょうご)の節供」ともいわれます。ほかのお節供と同じように古代中国のこよみ行事の輸入とそれ以前から日本にあった季節風習が融けあって今日まで続いてきたものです。
端午とは月の初めの午(うま)の日のことですが、古代中国で5月を物忌みの月とし、5が重なる5月5日にさまざまな邪気を祓う行事を行いました。これがやがて日本に伝わり、よもぎや菖蒲(しょうぶ)で厄除けするようになり、武家社会になって、男の子の出世を祝う日になったのです。

かしわ餅の由来

柏餅は江戸時代から端午の節句には必ず用いられました。柏の葉っぱの上に、上新粉とくず粉(片栗粉)を混ぜて作った「しんこ餅」に餡を挟んだものを置き、柏の葉を二つ折りにして包んだお菓子の事を言います。
柏の木の古い葉は新芽が育つまで枯れないので子孫繁栄の縁起の良い葉とされたことや、柏餅を包む手つきが神前でかしわ手を打つ姿に似て、武運を祈願する端午の節句にふさわしいという意味もあったと言われています。

編集後記

東京・飯田橋から大久保通り神楽坂方面に歩いていくと、左手にとても評判のいい和菓子屋さんがあります。そのお店でかしわ餅を買ってきました。
かしわ餅は、こし餡・つぶ餡・みそ餡の3種類ありました。こちらのかしわ餅は柏の葉とお餅を一緒に折りたたんだ形ではなく、餡の入った丸いお団子を柏の葉で包んだ形のものでした。
お餅はとっても柔らかく餡は甘さ控えめで、とても上品な味でした。
こちらのお店は、400年近くの歴史のある和菓子店。このような歴史のあるお店が、今後もお店の味を守って続いていって欲しいものです。

食に関するコラム 食彩事記の一覧に戻る

ページトップへ戻る