食卓双眼鏡

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第19回 4節気(3月1日~3月20日頃)材料編:キャベツ

数ある野菜の中でも、キャベツほど使い勝手のよい野菜はないような気がします。生でも、炒めても、煮ても、いろいろな調理法で食べられます。和、洋、中、どんな味付けの料理にも使えて、主役にも脇役にもなれる素材です。1玉丸ごと買えば幾通りもの料理に使いまわせますし、日持ちもするので、冷蔵庫に常備しているご家庭も多いことでしょう。
それを反映して、食MAPのデータでも年間TI値が200を越える、数少ない食材なのです。TI値200とは、100家庭のうち20家庭の食卓に何かしらのキャベツ料理が登場している、ということですから、すごい数字です。
4節気の間に、夕食卓に登場したキャベツを使ったメニューは、どのくらいあると思いますか? ・・・146種類です。キャベツはいろいろな料理に使える、といってもそれだけの料理をぱっと思いつきませんね。その中でも、一番登場回数の多いキャベツ料理はなんだと思いますか? ・・・実は、「キャベツそのまま」なのです。キャベツを好みの大きさに切って、ドレッシングやソース、味噌やマヨネーズをつけて食べるという、シンプルな食べ方が一番食べられているキャベツ料理なのです。続いて、「野菜炒め」、「野菜サラダ」、「味噌汁」となります。他に「ソース焼きそば」や「餃子」、「お好み焼き」などが上位にくるのも、キャベツならではという感じがします。
ところで、キャベツの旬はいつでしょう? 江戸時代に日本に渡来したといわれるキャベツですが、早くから季節に合わせた品種が各地でつくられ、一年中出荷されています。ですから、品種や産地により旬が異なるので、一年中美味しく食べられる野菜です。大きく分けると、硬く葉を巻いて、形は偏平な冬キャベツ(冬系、寒玉)と、ふんわり柔らかなで球の内部まで緑色をした春キャベツ(春系、春玉)があります。関東では、葉が柔らかく生で食べても美味しい春系が好まれる傾向がありますが、関西ではお好み焼きなどにむいた冬キャベツが根強い人気があります。この違いをあまり意識して購入していないという方もいると思いますが、4節気は、冬キャベツと春キャベツが同時に店頭に並ぶ季節なので、食べ比べてみるチャンスかもしれません。
今回ご紹介するのは、キャベツとハムのチーズオムレツです。キャベツがたっぷり入ってボリューム満点!お好み焼きにヒントを得た洋風卵料理なのですが、キャベツと卵の相性のよさを実感すること間違いなしの一品です。春キャベツでも冬キャベツでもどちらでも美味しくできます。

★キャベツとハムのチーズオムレツ
〈材料〉

  • キャベツ 300g (バター大さじ1、塩小さじ1/3、こしょう少々)
  • 卵 4個
  • ピザ用チーズ 40g
  • 塩 少々
  • 牛乳 大さじ1
  • サラダ油 大さじ1

〈作り方〉

  1. キャベツはざく切りにする。フライパンにバターを熱し、キャベツを加え塩をふってしんなりするまで炒める。ハムは1㎝角に切っておく。
  2. ボウルに卵をときほぐし、塩少々と牛乳を加え混ぜる。1のキャベツとピザ用チーズ、ハムも加えざっと混ぜる。
  3. 18センチくらいの小さいフライパンにサラダ油を熱し、2の卵液を流しいれる。 最初は中火で全体を大きく混ぜて、半熟状になったら火を弱め形を整え、ふたをして3~4分ほど焼く。ふたを使ってオムレツを返して片面も3~4分焼く。
  4. 粗熱が取れたら、切り分ける。

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