食卓双眼鏡

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第14回 2節気(1月中旬過ぎ~2月2日) 材料編:ほうれん草

ほうれん草の旬は、11月~3月と言われています。店頭では一年中ほうれん草を見かけますが、本来の旬は露地栽培される冬。秋に種まきして冬の寒さに耐えて収穫されたものは、甘みがあって肉厚で柔らかです。栄養のほうは、鉄分、ビタミンC、ビタミンB、葉酸、カロテン、カルシウムなど豊富に含まれています。ただし夏のほうれん草は冬(旬)のものに比べ、ビタミン類の含有量は1/3程度になるといわれています。
その美味しさや栄養のことを消費者はしっかりと心得ているようです。上のグラフを見てください。ほうれん草の食卓の登場率を表していますが、旬とされる時季には登場率(TI値)が高くなっています。
それでは、どんな食べ方をしているのでしょう? 2節気(1月中旬~2月中旬)にほうれん草が使用されたメニューの上位に来るのは、1位 おひたし、2位 味噌汁、3位 ごま和え、となっています。なるほど、馴染み深い和風家庭料理メニューが一般的なようです。
ところがこれらのメニューは食べ手にとって人気があるのか、というとそうでもありません。おひたしと味噌汁の食MAPモニターも人気度は年代によっても異なりますが20~40%。ごま和えのほうは68%。よく食卓に登場するけれど、いつも好評とは限らないようです。例えば、各家庭のおひたしの作り方を覗いてみると、ゆでたほうれん草にしょうゆをかけるだけか、かつお節をのせるぐらいというのがほとんどです。これでは、シンプルすぎて飽きてしまうかもしれませんね。
では、「また、おひたし?」と家族から言われそうなときは、ちょっと趣を変えて、ナムルにしてみるのはいかがでしょう。ご存知の通り、韓国の家庭野菜料理ですが、モニター家庭でも非常に人気の高いメニューです。
作り方は簡単。おひたしを作るときと同じようにほうれん草(1束300グラム)をゆでて水にさらし、食べやすい長さに切ります。それをボウルにいれ、塩(小さじ1/3)、ごま油(大さじ1)、すった炒り白ごま(大さじ1)と和えます。このとき菜ばしなどでなく、手を使って指先で混ぜ合わせるのが韓国流。簡単に全体に味をなじませることができます。本来は、生にんにくのすりおろしが入るのですが、にんにくの臭いが苦手な人は省いても大丈夫。逆にしょうゆ、ねぎのみじん切り、粉唐辛子を好みで少量加えても良いでしょう。おひたしともごま和えとも違う、ごまとごま油の香ばしい風味が新鮮で喜ばれると思います。
(写真は、ほうれん草のナムルと、にんじんと子大豆もやしのナムルの盛り合わせです)

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