食彩事記

食彩事記

第1回 チョコレート

バレンタインデーが近づくと街の色々なところで普段以上にチョコレートが並びます。最近では市場にカカオ70%以上などのチョコレート成分が多く含まれたものもよく見かけ、単なる嗜好品ではなく健康志向から注目されることも多いようです。

チョコレートの成分であるカカオやポリフェノールが、がん等さまざまな病気の原因といわれる活性酸素の働きをおさえるとして現在とても期待されているそうです。
既に確かめられている効果としては、動脈硬化が進むのを防ぐ、ストレスに対する抵抗力が強まる、さらにアレルギーやリウマチにも効果があると言われています。

ということで、チョコレートは「太る」「吹き出物が出る」などよく言われていますが、適量であれば体にとても良い食べ物と言えるでしょう。

「バレンタインデー」の由来

3世紀、ローマでまだ新興宗教だったキリスト教は迫害されていました。当時のローマ皇帝・クラウディウス2世は、「結婚すると愛する妻や家族と別れ難くなったり戦争に出ても気がかりになることで兵士の士気が落ちる」という考えから、若者の結婚を禁じていました。
バレンタイン(キリスト教の司教)は若者たちを可哀相に思い密かに結婚させていましたが、そのことが皇帝に知られ、ローマ国教への改宗を迫られました。しかしバレンタインはこれを拒否したため、投獄され処刑されてしまいました。
その時彼を取り調べたアステリオという判事には、盲目の娘がいました。この娘とバレンチノは密かに心を通じ合わせるようになり、彼の祈りのおかげで娘は目が見えるようになりました。アステリオは喜び、一家そろってキリスト教に改宗してしまいました。
時の政策に違反したこのような行為のために、バレンチノは西暦270年、2月14日に処刑されてしまいました。彼は死ぬ前に「あなたのバレンチノより」と署名した手紙を彼女に残したそうです。これがバレンタインカードの始まりで、今でも欧米の人はバレンタインカードに「From Your Valentine(あなたのバレンタインより)」や「To Be My Valentine(私のバレンタインになって)」などと書くそうです。その後、キリスト教では2月14日を「St Valentines Day(聖バレンタインの日)」として、カードや花束などを互いに贈り合ようになり、現在も行われています。

バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は日本固有のものではなく、イギリスのチョコレート会社「カドバリー社」がギフト用チョコレートボックスを製造したことから広まり始めました。
日本では、1936年に神戸モロゾフ洋菓子店が英字雑誌に「バレンタインチョコ」の広告を出し、1958年には新宿の伊勢丹で「バレンタイン・セール」と称したキャンペーンが行われました。
当時はあまり広まらなかったのですが、チョコレートの消費量増加に伴ない、1970年頃から徐々にバレンタインデーにチョコレートを贈る習慣が広まっていきました。

編集後記

東京・銀座の大通りの路地を少し入った所に、とても有名なチョコレート専門店があります。先日そのお店にチョコレートを買いに行ってきました。
お店の外にも店員さんが立っていて、丁寧に店内へ案内してくれました。
お店に入ると右手にガラスのショーケース。その向こうには、ずらっと5~6人の店員さんが並んでいました。店内は女性客でいっぱいでしたが、店員さんの人数も十分だったのですぐに応対して貰えました。
ガラスケースには様々な箱入りチョコレートが並んでいました。どれもとても美味しそうだったので、店員さんにオススメを聞いてみました。
とても丁寧に説明してくれバレンタインシーズン限定のチョコレートボックスを勧められましたが、1人で食べるにはやや多すぎたので、バレンタインシーズン限定のチョコレートが1粒だけ入った、6粒入りのチョコレートボックスを購入しました。
6粒セットは全てガナッシュをチョコでコーティングしたものでした。そのうち3粒がビターガナッシュでした。最近はちょっとほろ苦い大人っぽい味が好まれる傾向にあるのかもしれませんね。
チョコレートの味もさることながら、店員さんの応対もとても気持ちがいいお店でした。

食に関するコラム 食彩事記の一覧に戻る

ページトップへ戻る